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「深海生物のひみつ」レビュー

ISBN978-4-569-79899-8.gif

著者:北村雄一
出版社:PHP研究所
刊行:2011年9月
価格:1400円(税抜き)



・傾向バランス
啓蒙書――◯――専門書
絵・写真――◯――文章

・オススメ度 ☆☆☆☆☆


◯この本について
皆さんは深海生物の本を何かしら読んだことがあるでしょうか?
読んだことある人は気づいているかもしれないですが、深海の「海中の写真」は見る機会が少ないです。もちろん全くないわけではありません。しかしその写真は不鮮明だったり、うまく捉えられていなかったり、種類が限られているはず。
それは、技術の発展した今でも深海生物の写真を撮ることは難しいからなのです。だから、我々が歯ぎしりをしながら深海生物の海中写真を欲した所で存在自体がないので歯ぎしりで歯をすり減らすことしかできません。

では、海中の写真の代わりに採取されたあとの写真はどうでしょうか。これは鮮明で、数も多いですが、中々どうして残念ながら非常に見苦しい。
深海魚―暗黒街のモンスターたち―」という本はまさにその採取された深海魚の写真を多く載せている本なので、機会があれば手にとって見てください。そこに載っている魚たちは、鱗が剥がれ、ヒレは欠け、色が変色しているものばかりです。そのため我々が歯ぎしりをしながら欲している奇妙で美しい深海生物の姿は、そこにはありません。
また、この標本の写真には大きな問題があります。大変大きな問題です。そう、私の愛して止まない軟体生物は標本写真にならないんですよ!深海性のイカやタコ、クラゲ、ナマコなどは体の大半が水分のため、海の中から上がった途端、その柔らかい体は重力に押しつぶされ、まさに「やわらかいなにか」と化す運命にあるのです。そのため、写真を撮った所で無意味なので、悲しいことに標本写真はほとんどないのです。

前置きが長くなりましたが、この本はそんな我々の「深海生物を綺麗な姿で見たい!」という願望を叶えてくれるナイスな一冊なのです。だたし、写真ではなくイラストという形で叶えてくれます。
イラストかよ、と残念に思うなかれ。確かに写真は鮮明な形で生物を写しだしてくれますが、その姿は彼らの動きに制御されるところがあります。
しかしイラストであれば、その特徴的な姿も、特異な機能を使う様子も思いのままに写せるではないですか!そもそも写真が少ない漆黒の世界である深海では、なおさらイラストの特徴が活きてくるというものです。
あまつさえ、その生物の解説までついてくるのだから、いたれり尽くせりな本と言えましょう。

◯構成
この本は基本的に、生物のイラスト+その解説文の構成で書かれています。イラストと文の量は半々か、ちょっと文のほうが多いくらいですかね。深海生物の本としては一般的なスタイルだと思います。何が一般的かは説明しづらいですが。

イラストについては、その生物の機能的な特徴がわかりやすいように描かれています。その上で、絵に矢印のような形で「ここはこういう機能です」というような解説がはさんでいるので、その生物の特徴を捉えやすくなっている点が好印象。
また、フルカラーなので載っている生物すべてを色付で見ることができるようになっているのは大変うれしい。イラストものの本は大体白黒であったりして、色がわからないことが多いのです。

解説の文章はこの手の本にしては詳しい解説が載っています。ただし、一つの生物について深く掘り下げるようなものではないので、専門性自体はやや薄い感じを受けます。といっても素人には必要十分な情報量なんですけどね。
また、深海の環境に関しての説明はほとんどないです。一応そのような予備知識が乏しくてもわかるように書かれているようには思えますが、少しくらいの知識はないとわからないところもあるかもしれません。それに、学名や分類の話がポツポツと出てくるので、そういう話題を目にしてもフリーズしないくらいの知識は必要です。
そう考えると、ターゲットとしてはすでに深海生物に興味を持っていて、調べたりすることがあるような人が中心なのかもしれないですね。

◯載っている生物の種類
イカとタコとワニトカゲギスたちが載ってます。以上。

と言いたくなるほど多いです。この本の8割方はこいつらの紹介で埋まると言っても過言では全くありません。
とは言っても実際にはそれ以外の生物も載っているのでご安心を。
選別の基準としては、面白い特徴を持っているものが中心に選ばれているのでしょうか。そこそこマニアックな種が多い。
学名しかついてない(英名や和名がない)ものも平然と載っているので、この手の本をいくつか読んでいるような者には大変うれしい。その代わりに、有名な深海生物をとりあえず知りたいと思ってこの本に手を出すと多少の後悔があるかもしれないですね。

先に述べた通り標本はおろか写真すら少ない軟体生物(イカやタコ)が、数多く載っていることに関しては著者に対して五体投地で感謝したいくらいです。もう著者のいる方向に足を向けて寝れないこと請け合い。北村先生の家が我がメッカ。


◯総評
少し触れましたがメインターゲットとしては既に深海生物について興味を持っている人、もっと具体的に言ってしまえば1冊くらいなら深海生物に関する本を読んだことがある人向けの本だと思います。
しかしそのターゲットから外れた人でも、深海生物のそのユニークな点に焦点を当てて見事に書ききっているこの本を読めばきっと、彼らに魅了される人がでてくるに違いないと思わせてくれる、良い深海生物啓蒙書にもなれると思います。といっても私は既にある程度知っている側の人間なので、はっきりとは言えないんですけどね。何も知らない人がいらっしゃったら、是非読んで私に感想を教えてください。お便りお待ちしてます。
また、フルカラーで207ページもあり、それでいて1400円の低価格である点も評価したいですね。この本自体は書いた通り啓蒙書寄りの本ですが、なにぶん啓蒙書が高くては初心者が手を出しにくいのです。俺が布教に使いやすい、いや、少し興味がある程度の人も手を取りやすい良い価格帯ですね!

というわけで内容、値段からして、メインターゲットである深海生物好きの諸君は買って損はない本です。。特に私のブログを見に来ているような熱心な軟体生物ファンは是が非でも買っておきましょう!
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2011年10月17日 | | トラックバック:0 | コメント:0

エクレアの元の意味は稲妻

「非常に渋い味でした」沖縄に「エクレアナマコ」 琉球大、北半球で初確認


ekurea_namako.jpg




新種のナマコが見つかったそうですよ。
といっても新種として認識されたのは少し前のことで、オーストラリアで2005年、2007年に発見されたものみたいです。
実は沖縄では、2000年にはこの種が確認されていたらしいのですが、そのときは名前も何もわからずそのままになっていました。
それが今回、アメリカのお偉い教授さんたちが来たときにオーストラリアで発見された新種と同一だとわかったってことですね。
沖縄で発見したときに研究機関とどうにかしていれば先に新種として登録できたんですかね?そうだとしたらちょっと残念な気も。

そして、この新種には和名が今までなかったので今回「エクレアナマコ」という名前をつけたということらしいですね。
エクレアっぽいかと言われたら「微妙」としか言い用がないのがなんとも言えません。
あと、英語なんだか日本語なんだかわけわからない名前は何か抵抗が若干あります。決まったあとに何言っても仕方ないんですけど。

まあ、インターネットウミウシ(注:実在します)よりはましだけど!特にネーミングセンス的に!

あと、

 上野研究員は「人に味を聞かれると思ってなめてみたが、エクレアとはほど遠い、非常に渋い味でした」と語った。



上野研究員は空気読み過ぎだと思います。
岸辺露伴かお前は。とりあえず味も見てみる人か。

ちなみにナマコは毒を持ってる種が多いので、なめるのはまあともかく、むやみに食べたりするのはやめようね。お兄さん、ああ、いや、おっさんとの約束だ。

2011年10月05日 | その他ニュース | トラックバック:0 | コメント:0

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